現在、5年生の子どもたちは、国語科の授業で、谷川俊太郎の「かんがえるのっておもしろい」の授業をしています。この詩を読むと、学びの本質は何かを深く考えさせられます。
私たちの日常は、「なぜだろう?」「どうしてだろう?」という素朴な疑問や、新しい発見に満ちています。「考える」という行為は、まるで未知の世界への扉を開く鍵のようなもの。頭の中で自由に思考を巡らせることで、子どもたちは普段見慣れた景色の中に新しい意味を見出したり、物事の本質に一歩近づいたりする、そんな知的な冒険を体験します。空の青さがいつもより深く感じられるような、新鮮な驚きや発見が、考えることの面白さの一つと言えるでしょう。
この「考える」プロセスを通して得られる喜びは、私たちが学校で日々大切にしている「学び」の根源的な価値と深く結びついています。学ぶということは、単に知識や情報を記憶することだけではありません。自分の頭でじっくりと考え、試行錯誤する中で新しい視点に出会い、物事を多角的に捉え、さらには自分自身の心の中にある様々な感情や考えに気づいていく、豊かで創造的なプロセスです。
例えば、子どもたちは日々の学校生活、特に友達との関わりの中で多くのことを学びます。協力することの素晴らしさ、心地よさだけでなく、時には意見がぶつかり合うこともあります。そうした経験を通して、相手の気持ちを想像したり、関係性をより良くしていく方法を考えたりすること自体が、人間理解を深める貴重な学びとなります。正解が一つではない問いに向き合い、自分なりの答えを探求していく力は、これからの社会で生きていく上で非常に重要です。
そして、子どもたち一人ひとりの「考えたい」「知りたい」という思いや探求心は、教室での対話や協働を通して互いに響きあい、クラス全体、そして学校全体の学びを豊かに育む力となります。それぞれの考えが集まり、交流することで、学びはより深く、確かなものになっていくのです。
本校では、子どもたちがこのような「考えることの面白さ」や「学ぶことの喜び」を、日々の学習活動の中で存分に味わえるようにしていきます。「なぜ?」「どうして?」という知的な好奇心を大切にし、失敗を恐れずに挑戦し、粘り強く考え抜く中で自分なりの発見に至る喜びを、すべての子どもたちが経験できるような教育を目指してまいります。