ラーニングコンパス2030について
- 公開日
- 2025/03/06
- 更新日
- 2025/03/06
校長日記
ラーニングコンパス2030、少し耳慣れない言葉かもしれません。この概念を表したのが上のイラストです。OECD(経済協力開発機構)が2019年に発表した、これからの子どもたちに必要な力を育成するための国際的な枠組みを表したイラストです。これからの時代、どのような方向性で教育が進むのかをイラストを使って示しています。
簡単にこのイラストの説明をします。赤いランドセルのようなものを持った子どもがここでの主人公です。手には羅針盤となるコンパスをもっています。その子どもはウェルビーイング2030という山を登ろうとしています。手にもっているコンパスの要素は、知識、スキル、価値観、態度です。そして、その山登りに必要な原動力になるのが、エージェンシーと呼ばれる主体的に行動する力です。エージェンシーは、自らの意思、目的をもち、周りの世界や未来に対して働きかけ、変化を生み出す力であり、個人のウェルビーイングだけでなく、社会のウェルビーイングを協働で創り上げる重要な原動力、エンジンの役割をしています。
私たちが子どもたちにつけていきたいのは、意欲の源泉であるエージェンシーであり、羅針盤となるコンパスです。そのために必要なことが、学校の中で他者と対話をし、協働しながら、知識だけでなく、スキル、価値観、態度などの非認知的な能力を高めていくことです。一人一人の子どもたちに見通しをもたせながら計画を立て、行動し、振り返りながら、みんなで力を合わせて、個人、社会全体の幸せを実現していく、このことが今、世界の教育のスタンダートとして求められています。
ラーニングコンパス2030は、私たち教育者が進むべき方向性を分かりやすく示しています。2019年以降もコロナ禍があったり、戦争が起こったり、社会が混とんとし変化していますが、私たち教師は、子どもたちがたくましく生きていけるように、ラーニングコンパスをもたせ、一人一人が人生という山登りができるように、共に伴走していく存在でありたいと思います。